シャネルの腕時計「プルミエール」とは。誕生の歴史も紹介
世界中の女性から絶大な人気を誇るシャネルは、腕時計においてもカルティエやロレックスと並ぶ支持を集めている。そこで今回は、シャネルの時計の歴史を語る上で欠かすことのできない「プルミエール」について、その魅力と誕生の歴史を見ていこう。
時計界の貴婦人「プルミエール」
1987年にシャネル初の腕時計として誕生した「プルミエール」は、「J12」と並び、高い人気を誇るコレクションだ。時計界の貴婦人と称されるプルミエールの特徴を解説する。
美しい八角形のケース
ヴァンドーム広場は、シャネルの創業者ガブリエル・シャネルが暮らしたホテル「リッツ・パリ」から見下ろすことができる。
プルミエールを特徴付ける要素のひとつが、気品溢れる美しい八角形のケースだ。名香、「シャネル N°5」のボトルストッパーやパリのヴァンドーム広場から着想を得たデザインである。
創業者にとって、特別な場所をイメージした八角形のケースからは、ロマンチックな歴史の余韻も感じられるだろう。
1937年、ヴァンドーム広場を望むリッツ・パリのバルコニーにたたずむガブリエル・シャネル
シンプルな文字盤
1987年、プルミエールをつけた、当時のシャネルのミューズ、イネス・ド・ラ・フレサンジュ。
プルミエールの文字盤には、「CHANEL」の刻印と時針・分針しか存在していない。全てのインデックスを取り去ったシンプルな構造となっている。
時間だけが刻まれていく様子は、“時間に縛られず自由に生活してほしい”という、多忙な毎日を送る女性たちへのメッセージとも受け取れる。
一切の数字を配さない文字盤からは、シャネル独特の気品が醸し出されている。ジュエリーのような華やかさや、エレガントな雰囲気も感じられ、さまざまなシーンになじみやすい。
シャネル初の腕時計、プルミエール
シャネルの時計の歴史は、1987年に誕生した初代プルミエールから始まっている。当初のモデルの特徴を見ていこう。
シャネル初のウォッチ、プルミエールは、ゴールドのチェーンにレザーを編み込んだブレスレットが特徴で、女性のための腕時計としてデザインされており、メンズウォッチの縮小版を女性用として展開していた1980年代のウォッチメイキングの常識からすると、珍しいデザインだが、そこにはシャネルの伝統が潜んでいる。
このブレスレットのデザインは、シャネルを代表するハンドバッグを彷彿とさせる。八角形のケースは、香水「シャネル N°5」やパリのヴァンドーム広場をイメージしており、まさにシャネルのエッセンスを詰め込んだ腕時計といえるだろう。
革新的なデザインと優雅な雰囲気をまとった初代プルミエールは当時、日本でも人気を集め、多くの女性が身にまとった。
プルミエールのおすすめ現行モデル
プルミエールの現行の人気モデルを紹介する。
メタルチェーンのプルミエール
シャネル「プルミエール」
クォーツ。SSケース(縦26.1×横20mm、厚さ7.6mm)。ステンレススティールのチェーンブレスレット。リュウズにオニキスのカボション。128万7000円(税込み)。
まず、最初に紹介するのは、メタルチェーンをブレスレットに採用した、季節、場面を問わずつけられる定番モデルである。八角形のケースと丸みを帯びたチェーンが、美しい対比を生み出している。
ケースサイズ26.1mm×20mm、厚さ7.6mmのミディアムモデルで、ケース外周には、56個のブリリアントカット ダイヤモンドが並べられている。ファッションのアクセントとして活躍してくれるだろう。
プルミエール リボン
シャネル「プルミエール リボン」
クォーツ。18KYGケース(縦19.7×横15.2mm、厚さ7.5mm)。リュウズにオニキスのカボション。ヴェルヴェットタッチのブラックラバー ストラップ。72万500円(税込み)。
ヴェルヴェットタッチのブラックラバー ストラップを用いたタイプが「プルミエール リボン」だ。細身のストラップが上品な雰囲気を醸し出している。
ケースバックには、肌に優しいチタンを採用している。金属が肌に合わない女性も安心して装着ができる。
リュウズにカメリアやコメットのチャームをあしらったタイプもチェックしておこう。
シャネル「プルミエール ラッキー スター」
クォーツ。SSケース(縦19.7×横15.2mm。厚さ7.5mm)。ベゼルに52個、コメットのチャームに6個のブリリアントカット ダイヤモンドをセット。ヴェルヴェットタッチのブラックラバー ストラップ。121万円(税込み)。
シャネル「プルミエール カメリア コレクション」
クォーツ。18KYGケース(縦19.7×横15.2mm、厚さ7.8mm)。カメリアのチャームに1個のブリリアントカットのダイヤモンドをセット。ヴェルヴェットタッチのブラックラバー ストラップ。102万3000円(税込み)。
3連ブレスレットのプルミエール
シャネル「プルミエール」
クォーツ。SSケース(縦19.7×横15.2mm、厚さ7.5mm)。ステンレススティールにレザーを編み込んだ3連ブレスレット。74万2500円(税込み)。
こちらは、プルミエールを象徴するチェーンを3連にしたロックテイストの時計である。チェーンにはブラックレザーを編み込んでいる。
特徴的なチェーンが手首で存在感を放ち、フォーマル・カジュアルどちらのシーンでも、雰囲気のあるアクセントになってくれるだろう。
プルミエール オリジナル エディション
シャネル「プルミエール オリジナル エディション」
クォーツ。SS(18KYGプレート)ケース。(縦26.1×横20mm、厚さ7.6mm)。ステンレススティール(18KYGコーティング)にレザーを編み込んだチェーンブレスレット。85万8000円(税込み)。
1987年に登場したメゾン初のウォッチ、プルミエールをシャネル ウォッチ クリエイション スタジオの手によって現代に蘇らせた復刻モデル。
初代プルミエールとくらべ、ゴールドのカラーがやや柔らかく明るくなったほか、ダイヤルの針はより細く長く、リュウズはフラットになるなど、ディテールを現代的にアップデート。
大人の女性にふさわしい本物を身に着けよう
シャネルのプルミエールは、メゾンの美意識とコードをちりばめ、初めて作り出した時計だ。
美しい八角形のケースと極めてシンプルな文字盤に組み合わせたブレスレットが特徴的なコレクションだが、ブレスレットにもさまざまなバリエーションがある。大人の女性にふさわしい本物の1本を探してみよう。